BShi
10月5日(火)午後8:00~9:30
プレミアム8<文化・芸術>「“愛と胃袋”イタリア 井上荒野のピエモンテ」
直木賞作家井上荒野がイタリア・ピエモンテの田園に滞在。農家を訪ね、スローフードを味わい、旅での出会いをもとに愛と料理にまつわる小説を執筆。番組内でドラマ化。
直木賞作家の井上荒野が、イタリアのスローフード発祥の地でもある豊かな農業地帯ピエモンテ州に滞在。チーズ農家やワイナリーなどを訪ね、スローフードを味わい、旅での出会いをもとに、愛と料理にまつわる小説を執筆する。番組では、旅のもようをドキュメントするだけでなく、書き下ろし小説を井上が訪ねた現地で、イタリアの俳優を使ってドラマ化する。
BShi 10月12日(火) 午後8:00~9:30
プレミアム8 文化・芸術 「“愛と胃袋”フランス 森絵都のブルターニュ」
ケルト文化の遺跡が残り、独自の言語も伝承されるフランス北西部のブルターニュ地方では、他のフランスとは一風違った食文化が伝わる。森絵都がまず訪ねたのは「地の果て」を意味する“フィニステール”県のカランテックという港町。この町で人気を博すシェフの案内で、イチゴ農家やアーティチョーク畑を訪ねたり、極上の牡蠣を採りに海へとでかける。 バター農家では、バター作りを体験するほか、ジャガイモのミルク粥など、決して豊かではなかったこの地方の農民の伝統食を味わい、おばあちゃんが焼くクレープを頂く。旅の途中、現地の言葉で「ブレノワール 黒い麦」と呼ばれるそば畑に遭遇。ブルターニュの名産であるそば粉のクレープ(ガレット)を味わうばかりではなく、森が出会ったのは、そばから意外な飲み物を作る男だった。そして最後にたどり着いたのはランデヴァンという小さな村。パリでのキャリアを捨て移住、古城の使用人小屋を改築し、家庭的なターブルドット(食事つきの宿)を始めたシェフと出会う。美しく厳しい自然の中で暮らすブルターニュの人々と多くの食と出会った森が描く小説世界とは?
語り 中越典子
BShi 10月19日(火) 午後8:00~9:30
プレミアム8 文化・芸術 『愛と胃袋』~直木賞作家が食べて書くヨーロッパの田舎~
第3回 スペイン 角田光代のバスク
イベリア半島北部のバスク地方は、知る人ぞ知る「食の都」。スペイン料理の代名詞と言えるピンチョス(小さな串料理)やタパス(おつまみ)の発祥の地だ。小さな町に数百ものバルやレストランがひしめくサン・セバスチャン近郊には、それを支える豊かな農村地帯がある。角田光代は、到着早々、バルをハシゴしながら、様々なピンチョスを味わう至福の時間を堪能(たんのう)する。 喉を潤すのは、バスクのワイン「チャコリ」。運搬することが難しいため、地元で9割がた消費されてしまう貴重な微発泡ワインだ。山間のシスルキル村では、世界中の8000メートル以上の山をすべて制覇したという女性と出会い、彼女の家族の経営するホテルで素朴な豆のスープをいただく。さらに、ワイングルメ雑誌から世界5位の評価を受け、斬新なバスク料理を世界にアピールするシェフの案内で、有機野菜の畑を訪ねたり、山間部で暮らす家族のもとでは、放し飼いで育てられた赤味の牛ステーキに感激する。また、独特の言語と文化を持ち、血縁を重視し、他の土地に出ることも少ないと言われるバスクならではの「ソシオ」と呼ばれる「美食倶楽部」も体験。バスクの人々と食文化に触れ、家族と食卓について考えた角田が描いた世界とは?
語り 貫地谷しほり
BShi 10月26日(火) 午後8:00~9:30
プレミアム8 文化・芸術 『愛と胃袋』~直木賞作家が食べて書くヨーロッパの田舎~
第4回 ポルトガル 江國香織のアレンテージョ
ポルトガル南部に位置するアレンテージョ地方は「パンのバスケット」と呼ばれる豊かな穀倉地帯。まず江國は、世界遺産の美しい城塞都市エヴォラで3時間半におよぶ昼食を体験。アレンテージョの昔ながらのレシピにこだわるシェフの店で、豚肉とアサリとの意外な組み合わせの料理や、魚介料理の数々に、スパークリングワインのサングリアとともに舌鼓をうつ。 この地方は、ポルトガルを代表するお菓子で有名な場所でもある。江國は、中世から修道院で作られていたお菓子を今も昔ながらの製法で作る女性のもとへ。日本に伝わった鶏卵素麺のもととなったお菓子など、強烈な甘さをもったお菓子の数々を味わう。豚肉が大好きという江國が、コルク樫のどんぐりを食べて育ったアレンテージョ特産の幻の黒豚をもとめて訪れた農園では、失われつつある農民の煮込み料理「コカリア」で歓待される。さらに、江国はアレンテージョの東の果ての町、モンセラーシュへ。人口わずか60名あまりというひなびた村の居酒屋で意気投合したワイン農家のオーナーの自宅で、村の人々とポルトガルの定番、イワシのバーベキュー。時代から取り残されたような田舎の中の田舎、アレンテージョで江國の感性に響いたものは何か?
語り ARATA